2014/5/21-27 復田2014 (3/3)



[5/21 17:50 f=30]
家の裏の棚田に植えきれなかった苗4箱ちょっとを植えるべく、去年は畑にしていた 家の手前の田んぼを急遽また田んぼにし始めた。が、どうもそこだけでは4箱も植えられそうにないので、並行して別の田んぼも探した。

家から1kmほど麓寄りの家の 道路沿いの絶景の棚田 (白馬三山から爺ヶ岳まで見える) が第一候補で、やらせてもらうべく連絡しようとしていたが、たまたま家の近くに来た大家さんに話すとどうもあまり嬉しくないらしい。

誰の家の田んぼだろうが僕は棚田と岳を望む風景を復元できればいいし持ち主も喜ぶと思うのだが、人のとこやるくらいなら、前にやりかけて周りの木を切ったりしてるドプケ (道路から30mぐらい登った山の中の孤立田んぼの名前) を戻せばいいじゃないかと言う。

ドプケは一昨年、ちょっと掘ってみたがカヤの太い根が多くて田んぼに戻すのは難しそうだった。しかし、静かで景色もよくてもったいないので去年は周りの大木を数本切って日当りよくして畑にしようとした。が、ここは湿田で畑には向かないと言われてそのままほとんど忘れかけていた。

交渉不要で誰も文句ないドプケだが、果たして戻せるものかどうか、広い田んぼなので戻すのは耕うん機が使えないと難しいが、果たして耕うん機自体が上がれるものなのか確かめたこともないので、まずは 『復田2014 (2/3)』 で使い終わった耕うん機の足をカゴ車からローターに替えてドプケまで上げてみた。ドプケまでの登りは一部急だがなんとか登れた。


[5/21 18:17 f=30]
で、上がった耕うん機で、見たことも聞いたこともない無謀なことをしてみた。-- 草も刈ってない荒地をいきなり耕うん機+ローターで回ってみたのだ。

と、これが意外と調子いい。耕うん機のローターを土を掘らない程度で回すと、地面が凸凹で刈払機では刈りきれないカヤが根本からよくえぐり取れる。-- 後でローターにひっ絡まったカヤを取るのに1時間かかった(^^;)が、これがまた思わぬ発見をもたらした。-- ローターをいやでもよく見ることになって、この片側9枚歯のローターが実は6枚+3枚に分けられることが分かったのだ。かなり固い錆びついたネジだったが、油さしてなんとか外せた。9枚歯を巾の狭い6枚歯にして使えるということは、つまり一度に起こす巾は2/3になるが泥を起こす力が1.5倍になるわけで、これなら地中のカヤの固い根も切って起こすことができるかもしれない。


[5/22 15:46 f=30]
翌日の夕方、刈払機でも畦と田に残った草を刈る


[5/23 10:43 f=30]
畦の谷側も少し下までカヤを刈ってすっきりしてきた


[5/23 15:54 f=30]
地表にたまった切れたカヤをアメリカンレーキで手でかき集めるがかなり大変だ


[5/23 16:16 f=30]

[5/23 16:31 f=30]
試しに耕うん機にタイヤ履かせて、代掻きで使うレーキでかき集めてみた。
後ろに流れる代掻き状態のレーキでは駄目だったが、レーキの歯を逆に前にすくいこむように変えてみたら、切れたカヤを耕うん機で楽にかき集められるようになった。


[5/23 18:14 f=30]
カヤをどかすとかなり耕地っぽくなった

田んぼに入れる水も必要だ。田んぼの横のU字溝から入れられると簡単なのだが、ちょろちょろとしか流れてない (;_;)


[5/24 15:49 f=30]

[5/24 16:53 f=30]
翌日の夕方、地面が乾いたところを狙って、歯を6枚に減らしたローター付けた耕うん機でいよいよ起こしてみた。強力な低速ギヤでゆっくり進むので時間かかるがさすが強力で、カヤの根を切って泥を起こせた。(9枚歯のローターでは恐らく歯でカヤの根が切れなくて、飛ばされて前に進んでいくだけ)


[5/24 17:51 f=30]

[5/24 18:14 f=30]
日没までに起こせた


[5/25 12:13 f=30]

[5/25 12:21 f=61]
翌日、また乾いた頃から、耕うん機で6枚歯のローターを今度は高速回転させて土を細かくする。

水の方は田んぼのそばのU字溝の上流を整備したが水量増えず、使える見込みなし。しかたなく少し離れた別のU字溝から引いてくることにしてホース (昔ぽかぽかランドの電線工事で使った余りらしいプラスチック製のもろい管) を設置した。


[5/25 14:37 f=30]

[5/25 14:48 f=30]
畦際の溝も掘り始める。耕うん機で回るのが疲れたら畦際の溝堀り、溝掘りが疲れたら耕うん機 (^^;)


[5/25 15:14 f=30]
溝ができたので、設置したばかりのホースでさっそく水を入れ始める
耕うん機での土砕きももうすぐ終わる。


[5/25 16:15 f=30]
珍しく師匠が来て、ドプケまで歩いて登ってきて、田に戻ってるのを見てびっくり。暑くてのどカラカラなので下の道に降りてお茶にする。

ドプケも40年前か50年前か、このへん一帯が崩れてしまったあとにブルで造成し直した田らしいが、崩れる前はもっと大きな田んぼだったらしい。
造成したのとU字溝付けられたのはほぼ同時のはずだが、U字溝が田んぼを突っ切っているということはその後田んぼとして作られたことはないということ。造成する必要ないのに間違えて造成してしまったことに後になって気づいて最後は手を抜いたということかな?


[5/25 18:05 f=30]
溝に水が回るのを待って翌日まで水入れ続ける


[5/26 8:32 f=30]

[5/26 9:00 f=30]
溝の横の泥をこねていよいよ畦塗り開始
水は田んぼの中の方に入れ始める


[5/26 9:06 f=30]

[5/26 10:01 f=30]


[5/26 10:39 f=30]
畦塗り終わるも水が田んぼ全体に回るのには時間かかりそう
雨も手伝ってくれて田んぼに水が回るのを待つ


[5/27 7:12 f=30]

[5/27 8:17 f=30]
だいぶ水がしみたので、耕うん機のローターをカゴ車に、ブレーキをレーキに替えて、泥と水を混ぜながら高い部分の土を低い部分に動かして田んぼを水平にする


[5/27 11:24 f=30]
手前右が高くて水が回らない。水が行かないと柔らかくできず、耕うん機+レーキで引っ張っても泥を動かせない


[5/27 13:04 f=30]

[5/27 16:06 f=30]
耕うん機で、高いところでレーキ降ろして土を引きずっていって低いところでレーキを上げて泥を落としていくのを何度も繰り返す


[5/27 17:03 f=33]
耕うん機もズボンも顔の網(虫除け)まで泥だらけ (^^;)


[5/27 18:07 f=30]
なんとか日没前に田んぼらしく平らになった
背景にはいつも白馬三山


[5/27 19:47 f=30]
風呂わかしながら、夕食作りながら、いつも19時過ぎになってしまうお茶がうまい


[5/28 10:48 f=30]
朝一番でムラ直ししたあと、残りの箱苗2枚をとってきて田植え機で植え始めた。が、昨日の悪戦苦闘で田んぼをこねすぎて深くトロトロになりすぎていて苗が沈んでしまいうまく植わらない (;_;)
1列植えて諦めて、土が沈殿して落ち着くのを待つことにする


[5/30 9:29 f=30]

[5/30 9:36 f=30]
結局2日待ってやっと植えられた。
田んぼの周りを残して並行に植えていき、最後に周りに植えて機械植えは終わり


[5/30 9:48 f=30]
補植して田植え完了


[5/31 8:20 f=30]
翌朝の田んぼ。
苗がなくなって、ちょうど田んぼが深すぎる右の畦より部分だけ植わらないで残っている。


[5/31 12:48 f=30]
当分休息になる耕うん機を洗い、来年まで使わないカゴ車などもすっかり泥を落として廃油を塗って保管する。


2014年の復田は、裏の棚田を4枚増やすだけのつもりだったのが、苗が余ったのを理由にそれ以外に大きめの田んぼ2枚も復田してしまう結果になった。性格の異なる3種類の田んぼの典型的な3種類の復元作業だったと思う。

 
【1/3】 家の裏の棚田の拡張 -- 細かい田んぼ4枚をもっぱら手で復元

 【2/3】 2011年に復田後、去年は畑にしていた家の前の田んぼの一部を再び田んぼに戻した -- 耕耘機も使って2日で復元

 【3/3】 山の中の40〜50年前の大きな孤立田んぼの復元 -- 耕耘機を駆使して1週間がかりで復元

2014/6/11 | 里山  美麻  棚田  復田   | コメントする 戻る | 泥と雪
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