鳥海山猿倉口のXC散策と山頂往復 鳥海山猿倉口・お花園湿原(標高910m)から南へ、富士山お中道のように標高 900〜1000mをXC散策し、翌日にはそこから鳥海山頂(七高山)まで往復してき ました。ウロコだけで山頂まで登れて、下りは富士山でもめったにできない 高度差1300m以上の大滑降でした。 【日 程】2003/4/28, 29 【山 域】鳥海山 (1/25000図 鳥海山) 【メンバ】雪兎(190cmウロコXC)、カミさん(160cmウロコXC) 【天 候】4/28 曇のち快晴、4/29 曇一時晴 【コース】4/28 お花園湿原(9:00)−1000m小鞍部−標高1000m±30mを南下 −明通沢手前(11:40)−標高930m±40mを北上−地図にない         大雪原−黒森南の雪原−お花園湿原(13:45) 4/29 お花園湿原(5:50)−1000m小鞍部−熊の森− 山頂(11:15〜20)−お花園湿原(14:30) (祓川からの矢島口ルートよりかなり南寄りのルートをとる) 【写 真】4/28→ http://yuki-usagi.cool.ne.jp/photo/2003428/ 4/29→ http://yuki-usagi.cool.ne.jp/photo/2003429/ 鳥海荘から祓川の方に車で上っていくと、牧場を抜けて雪の壁が出てきてし ばらくして、車道が右に直角に曲がるところに除雪された駐車場があった。 道路の右側に平らな雪原(帰宅後にお花園湿原とわかった)がある。山頂を目 指す気もないので、のんびりにわか雨が止むのを待って標高910mのここから ウロコで歩きだす。 祓川への車道の南の緩い尾根を100mばかり登ると一旦少し下って平らにな る。尾根上ところどころにテープがついていて、通常の猿倉口より下のこの へんまで滑降コースとしてマークされているようだ。今日は登りはここま で。ウロコがあまりきかないカミさんの板のシールを早々とはがし、空身で 少し登って滑ってきてみたりしてから、ほぼ等高線沿いに南下する。らくそ うなところを選んで緩い上り下りで進んでいくと、見事なぶな林になったり 視界が開けて遠くに鳥海山が望めたり、谷の一部だけ水が出ていてしかしま だ流れにはなっていなくて深くて落ちたら寒そうにきれいな水がたまってた りする。左側少し下はかなり平らっぽいのはわかるが地図の湿原マークや池 は確認できない。 ゆっくり1時間以上南下して、行く手に赤崩沢の断崖が見えてきた1本手前の 沢に降りるところでやめて戻る。同じルートでは面白くないし、黒森の南の 大湿原を見たいので来たルートよりも100mぐらい下(東)を北上すべく、まず 広い沢状を100m近く滑降して、地図からはわからない取り付きにくい北岸に 小雪庇を崩してなんとか這い上がる。明るいぶな林の中で昼食べてから目の 前の雪原に滑り込むとこれがかなり大きい。黒森の南の湿原よりもまだかな り南にいるはずだし、実際その湿原はあとで出てきたから、地図にない大き な平原だ。この先標高930m前後を北上したが、往きの標高1000m前後よりも急 なところが多くて上り下りが多くて大変だった。 黒森南の地図上の大湿原に滑り込むがこちらは先ほどの湿原よりも狭くて今 いち貧弱だ。50mぐらい登って緩いところに出て北上していくと、まだ流れに なっていないきれいな深い池の沢を越えて平坦になって、見たような景色だ なあと思ったら目の前に自分の車が出てきた。 そのあと、車で法体の滝に回って、遊歩道を歩いて大清水への林道まではま だ出られそうもないとわかって百宅口を断念し、平兵湯に回って汗流し、矢 島で夕食とってまたお花園湿原に戻って車に泊まる。矢島から祓川までの道 路沿いでは低い雪壁が、猿倉口側に下り始めると5〜7mのすごい壁が続くよう になる。2箇所の駐車場以外では車も置けなければ雪面に這い上がることも降 りることも不可能だ。 翌日、お花園湿原から山頂まではかなり距離あるし山頂付近は強風でアイス バーンのことも多いのでXCでは山頂までは到達できない可能性の方が高いが 一応早起きして行ってみた。同じ猿倉口でも少し上の駐車場からのルートが 合流するとスキーの跡のみならず見たくもないスノーモービルの跡も出てき た。面白くないのでモービル群の跡を左に、人のシュプールを右に見送って 跡のないところを登っていくと、噴火口のような凹地に3〜4回出くわした。 途中からどんどん左寄りに進んで、1500mあたりから上では矢島/猿倉口と百 宅口のまん中へんを登り、結局山頂まで雪が硬くならなくてウロコのまま登 頂してしまった。たまたまかなり気温が高かったようで、山板でも強風に吹 き飛ばされたりアイスバーンで滑落しかねない山頂付近でも登り下りともウ ロコXCで快適だった。ゆっくりペースのカミさんも山頂直下100mぐらいまで 登って写真撮ってくれた。残念だったのは、登りでは山頂直下もかなり南寄 りのシュプールがほとんどないところを登ったのだけれどもそこは風が強い ためカミさんが敬遠して矢島口寄りを登ってきてしまったため、山頂直下 100mの滑降だけ、シュプールで大荒れの斜面を滑らざるを得なかったこと。 合流してからシュプールのない東斜面に少し登り返して滑ったが。 下りは1050mあたりで一時藪に阻まれて迷ったりしたがカミさんのカンで登り のルートに戻れて(高温強風で登りの跡はほとんど全く消えていた)、その後 は車まで快適滑降。2229mの鳥海山頂から910mまで1300m以上(登りの途中でも 何度も滑降しては登り返してゆっくりのカミさんにペース合わせていたので それも加えるとたぶん1500mぐらい)もXCで大滑降できて、大満足でまた平兵 湯に行って泊まって、翌日大雨の中帰途についた。 ----------------------------------- 鳥海、栗駒、焼石、森吉山といい、東北の山はなだらかな中腹がいいですね。 祓川とかイワカガミ平とか、車道が中腹を突きぬけて上までいってしまってい て、最近まで(自分が勝手に)その上しか山と思ってなかったのは全くもったい ない話です。いちばんいいところを車で通過してしまっていたようです。 北面も広い台地状があるので、うまくつないでお中道みたいに一周できたら面 白そう。回るには途中に深い沢もあるので、けっこう登り降りあって、1日では 回れない、山頂往復よりかなり難しいコースになるかも。