栗駒山・いこいの村〜東栗駒山 山頂という点へのこだわりは捨てがたく、車やロープウェイで登れる終点ま では単なるアプローチであって山ではないみたいな意識を持っていたが、最 近それは大間違いだとわかってきた。山の上のほうまで延びすぎた道路を忌 避して山をさまようと、山頂への人ずれしたルートでは味わえない山のよさ にどっぷりつかれる。今回の栗駒山もそうだった。 イワカガミ平に上る夜間閉鎖中の車道が開く前にいこいの村から歩きだし て、ぶな林や雪原を徘徊したりテレマーク滑降で遊んだりして、1人も人に会 うことなく山を堪能してきた。 【日 程】2003/4/27 【山 域】栗駒山 (1/25000図 栗駒山) 【メンバ】雪兎 (190cmウロコXC) 【天 候】曇のち晴 上は強風 【コース】いこいの村   7:00 11:55              |     ↑      新湯沢930m 8:25 11:30              |     ↑      1250m大斜面 9:30〜10:30 11:10?              |     ↑      東栗駒山 10:50〜11:05 【写真→】 http://yuki-usagi.cool.ne.jp/photo/2003427/ かみさんと、いこいの村から「新湯」に滑り降りて、夏道沿いに新湯沢を 渡って東栗駒あたりまで登ろうと思って出発する。沢を渡る夏道には橋があ るわけでもなくて、水量が多くて濡れずに渡るのは難しそうなのであっさり 諦めて、沢を渡れるまで右岸上部を登っていく。途中で、XCでは歩きにくく てしょうがないと板を外してしまい、ミニスキーで来なかったのが悔やまれ るとさんざんぼやくカミさんに引き返してもらって1人になる。 イワカガミ平への車道と新湯沢の間のぶな林のまん中へんをしばらく登っ て、930mで両岸が緩くなって厚そうなスノーブリッジも出てきたので渡る。 北西にどんどん登っていくと、すり鉢状の、上端の少し下には亀裂がたくさ ん入っている恐い斜面に出た。なるべく斜面の右端の樹林帯近くを上端直下 まで登るが、最後は急で亀裂の間をきわどくすり抜けていかないと上に抜け られない。何事もなければあと5mも登ればすり鉢の上端(1200mあたり)に出て 緩くなる、というところで5分ぐらい迷った末、ジャンプ一転して滑降に移 る。いい斜面を雪のいいうちに滑るのも悪くない。そのまま下山するつもり だったが、試しにすり鉢状の左の樹林帯を少し登ってみたら、急ではあるが 木の間を抜けてウロコだけで結構登れて、そのうちあっさり上の緩斜面に飛 び出した(1150mあたり)。 帰りが楽しみな、木もまばらな緩斜面を登っていくと、樹林帯を抜けてイワ カガミ平を斜め下に見るXC向きの絶好の広大緩斜面に出る(1250mあたり)。雪 質も上々、広い斜面に重なることのない大きなシュプールを何本も残す。ウ ロコXCでシール着脱の手間がないからこんなことやってられる。 上の方はガスが晴れなくて風も強そうなのであまり近付きたくないけれども まだ山頂に立ったことない東栗駒山まで行ってみることにする。稜線の東斜 面を登っていくので風も弱い。雪渓の上端に板を残してヤブに入ると、2〜3m で稜線の真っ黒な登山道に出て強風にさらされ、登山道を3分たどると吹き飛 ばされそうな強風の山頂だった。長居は無用、写真とってすぐ風の弱いデポ 地点に引き返して昼食。 滑り出してしばらくは片斜面だけれども、アルペンでは今いち面白くないギ ルランデとなる片斜面もテレマーク滑降だとけっこう楽しめた。行きに1時間 遊んだ大斜面に出れば後は広い斜面を自在に滑れる。イワカガミ平からは陰 になって見えない1100mあたりにも快適大斜面が見えたので登った急な樹林帯 のコースよりも右にそれてそちらを滑る。快適大斜面はそのままやや急な広 い沢状になって、再び緩くなってしばらくいくと右岸に渡れる930m地点。ぶ な林の斜面を斜滑降していき緩くなるといこいの村の横に出る。いこいの村 の駐車場に停めた車で昼寝していたカミさんによると、車が揺さぶられるほ ど風が吹き荒れていたらしい。