■焼石岳/中沼コース/XC 焼石岳を最も一般的な中沼コースから登ってきました。去年5月4日に北側、湯田 から南本内川沿いに延々と南本内岳まで登った(#3344)翌日にこのコースを行こ うとしたものの疲れてしまって諦めて山麓サイクリングに切り替えてしまったの で、焼石の山頂に今回初めて立てたのでした。残念ながら既に雪が少なくて山頂 滑降とはほど遠く、また、あちこちで迷って、最後には遭難したかとも思ったり した印象的な山行でした。 【日 程】2002/4/26(金) 【山 域】東北/焼石岳 (1/25000図 焼石岳、石淵ダム) 【メンバ】雪兎単独 (190cmウロコXC+紐締めXC靴+枝ストック^^;) 【天 候】快晴 【コース・タイム】   林道500m地点0610=0705中沼登山口0715−…→中沼0840−0850上沼−   0930銀明水1005−1338m地点1120…1205焼石岳山頂1220…1338m地点1245→   銀明水1305→1330中沼1350…→−…林道途中1545…1605中沼登山口1615=   1640林道500m地点 (=は自転車,−はウロコ滑走,→は滑降,…はつぼ足) 【写真→】 http://yuki-usagi.cool.ne.jp/photo/2002426/ 連休前の木曜の晩に車で雨の東京を出て、焼石岳山麓・石淵ダム(工事中)から尿 前沢林道を上る。今年は雪の消えるのが平年より2週間ほど早いらしいので、中 沼登山口まで車で入れてしまうだろうと思ってたら、去年よりも手前の標高500m あたりで山側が崩れていて、普通車では谷側にはみ出しそうで、はみ出すと30m ぐらい下の谷まで落ちかねない。しかたなくそこに泊まり、翌日そこから、岩木 山で使おうと思って積んできた自転車で登山口に向かうことにする。 全体的に雪解けは早くても、山影の林道の雪はしつこく残っていて、結局去年と あまり変わらない580mあたりで林道は雪に覆われて車で来れてもそれ以上は無理 だった。自転車を押してしばらく行くとすぐまた雪が消えて、その先、登山口ま で、ときどき雪の上を押しながらもかなり乗れた。 登山口まできて自転車をデポして初めて、ストックを車に忘れてきたことに気づ く(;_;) 取りに戻ってまた1時間かかって延々と登ってくるのも大変だが、ス トックなしでウロコだけで登れるほど平らな山でもない。幸い登っていくルート は森の中、木の枝がたくさん落ちているので、歩き始めてから適当なのを拾って 使うことにした。曲がった枝では駄目でぐにゃっと曲がって力が抜けてしまった りすぐ折れてしまったりするが、割とまっすぐな枝、それも広葉樹系のだと丈夫 で、細くてもけっこう使えた。{それにしても、ストックぐらいで真っ青になる とは、仙人などほど遠い、文明の利器に頼った遊びしてる奴だ(^^;)} 夏道はすっかり雪の下でどこ通ってるのかわからず、連休前でまだ誰の足跡もな い自分も初めてのコース、どこをどう登って行ったらいいのかさっぱりわからな い。地図見てとにかく西に登っていけばなんとかなるだろうと進むと、ときどき 赤布に出会って、そんなに外れてないらしいことがわかる。 夏道は中沼の南の淵を通るようだが、どうも中沼の南のP953の南東に出たらしい ので、緩そうなP953南側をトラバースして西側から中沼の上に出てみた。地図 (1982年8月30日発行の1/25,000「焼石岳」)で見た感じよりも急で、下りは30mほ ど藪こきにもなったが、みごと中沼のすぐ上に滑り込めた。ここから緩い沢状を 10分で水芭蕉の咲く上沼、その先また分かりにくくなるが、西に登っていくとツ ブ沼からの看板コースに合流して新築の銀明水避難小屋に着く。 銀明水避難小屋は10年前も避難小屋としてはきれいな小屋だったが、避難小屋と は思えないほどきれいな2階建ての建物になっていて、トイレや浄化槽まであ る。しかしストーブはないので寒そうだ。周りの木を拾って燃やして暖をとり、 トイレは林の中なんていう、山が少数派の優雅な遊びだった時代は過ぎ去ってし まったのだろう。 10年前にツブ沼から来たときには、小屋より上はガスの中を少し登っただけだっ たので、山頂までもほとんど初めてになる。ルートがわからないのでウロコXCに 都合のいい緩い登りで適当に斜登高していくと、左を藪に、前を深い尿前沢に遮 られてしまった。スキーを手に藪に入ってみるがすごい藪でどのぐらい続くかも わからず、3mぐらいで諦める。右に滑降して少し下から尿前沢に入ろうかと覗き 込むも、かなり急で深い。しかたなく来た道をかなり戻って、もっと急に尾根寄 りに登っていってみると、雪渓が終わって夏の登山道に入るところ(1338m地点あ たり)に出られた。その先は当分雪がなさそうなので、スキーをデポして山頂ま で歩いて往復してきた。西にかすむ端正で真っ白な鳥海山がきれいだった。 1338m地点に戻っていよいよ滑降。すぐに、長靴で身軽にスタスタ歩く元気な女 性に会う。僕よりも4時間も遅く、10時に自分と同じところ(林道500m)を出てき たとのことで、早いのに驚く。何度も来ている地元の方のようで、そこからの下 りでは暖かさで既に消えてしまっているスキーの跡よりも長靴の跡をかなり頼り にして中沼まで滑り込んだ。 登ってきたルートは藪こきの登り返しになるので避けて、道の出た中沼の淵をつ ぼ足で歩いてから右上に赤布があったのでそちらに登ってから滑る。どうもこれ が間違いの元で、その赤布は登りのための単なる目印だったらしい。沢から離れ て夏道あたりを行っ(たつもり)て、多少右にずれてもどうせ林道に出るから全然 大丈夫なはず、と、少し滑って藪っぽくなっては右(南)にずれて、、、というの を何度かやってるうちに、登山口より低くなっても林道は全く現れず、現在地の 見当がつかなくなってしまった。磁石出すの面倒なので影の向きが北東のはず (14時頃から迷い始めたので)だから自分の影よりもやや右寄りに下っていけば東 向きで、楽勝で林道に出るはず、、、と、どんどん行ったのだが、かなり行って から確認したら、15時頃には既に太陽はほとんど真西、影はほとんど東向きに なっていて、それでなおさら南に行きすぎてしまったようだ。これはおかしい、 と、滑るのやめて枝ストックも捨ててスキーを杖に左に何本か沢越え藪越えて進 むと、噴火口のへりのような急斜面の上に出てしまった。地図でそれらしい地形 を探すと、そのときは林道の少し上の窪地の縁にでも出たのだろうと思い、なお さら北を目指す。(今になって地図を眺めれば、どうやらウバ沼の西の急斜面の 上あたりだったようだ。) さらに何本か沢を越えて北へ北へと進むと、そのう ち杉の植林が出てきて、しばらくして林道に出た。林道を少し上に辿ってみると 出てきた雪の上に足跡もあり、朝自転車で登った登山口への林道らしいことがわ かり、スキーを置いて登山口まで自転車をとりにいく。20分もかかった(;_;) 自転車を回収してきてやっと車に降りて、自転車とスキーを拭いて積み込んだり していると、上で会った女性がスタスタ降りてきて、「6時に出たんですよね。 私は10時。この4時間の差はなんなんだ。まあ、最初は迷ったりして、そんなも のよ」とのこと。XCと自転車を駆使して速いはずの兎が、長靴歩きの亀さんに大 敗したのでした(;_;) もっとも、僕の方が初めてのルートで何度も迷って、何 倍も楽しめたことは確かです(^^;) 2002/05/08(Wed) 雪兎 (JAF00036) http://member.nifty.ne.jp/YukiUsagi/