八甲田山 温泉彷徨 年末年始にまた八甲田に行ってきました。11月末に自転車で山下っていて転倒し た怪我(アバラ骨にひび)が完治してないため,半日,仙人岱ヒュッテまで行って きた以外はほとんど湯治に専念でしたが(^^;) 【山 域】東北北部・八甲田 【コース】12/30 酸ヶ湯-地獄湯ノ沢-仙人岱ヒュッテ-硫黄コース-酸ヶ湯      12/31 深沢温泉から田代元湯の直前までスキー散歩 (単独)      01/01 深沢温泉〜田代元湯 往復      01/02 深沢温泉〜田代元湯 往復 【メンバ】雪兎+カミさん 【スキー】山板 【地 図】1/25000 酸ヶ湯,八甲田山,上北鉱山 (最近の地図では「田代平」) 【写真→】 http://member.nifty.ne.jp/YukiUsagi/photo/2000c30/       http://member.nifty.ne.jp/YukiUsagi/photo/2001100/ ■2000/12/30 酸ヶ湯〜仙人岱ヒュッテ〜硫黄林間コース〜酸ヶ湯 前の晩に車で東京を出て,10:30に酸ヶ湯の上の駐車場に到着。翌日から崩れる らしいので,時間は遅いが穏やかなうちに,,,と小雪の舞う中,仙人岱方向に出 発(11:30)。 線路みたいにしっかり踏まれたシュプールを辿る。地獄湯ノ沢直前で,酸ヶ湯を 7:45に出て登ったものの天気悪くて仙人岱ヒュッテまでで降りてきたという鈴蘭 山の会の11人パーティとすれ違う。 13:20〜14:20 仙人岱ヒュッテ。1年ぶりの青森の常連メンバーも今日入ったばか りとか。中に入ってしばらくすると外が明るくなってきて,出てみると硫黄岳, 小岳と高田大岳が現れ,大岳の山頂まで姿を現してきた。カメラマンがスキー付 けて無名峰や硫黄岳に飛び出していく。こちらは小屋の周りで写真撮ってから, 青森のMBさんの挽きたてコーヒーをご馳走になったりして,それから硫黄岳に 登って上から林間コース滑って帰ろうと20分後ぐらいにスキー履いてると,もう 西の方から険悪な暗雲が押し寄せてきたので,硫黄岳諦めて林間コースをまっす ぐ酸ヶ湯に下る。酸ヶ湯P着15:20頃。車でみちのく深沢温泉に入荘。 ■2000/12/31 みちのく温泉〜田代元湯の対岸 往復 天気崩れるという話だったので,どうせ駄目だろうと寝坊したら快晴(;_;) 部屋 の窓が暗くてまだ夜かと思ったのは,夜中に屋根の雪が落ちて窓をふさいでいた ためだった(^^;) 晴れてはいても不吉な南寄りの風が強く,稜線にはかなり雪 煙が舞っているから山もあまり快適そうではないが,早起きすればどこかの山頂 に立てたかもしれない。鈴蘭パーティは前日の不運(大変なラッセルしながら好 天になる前に降りてしまった)をしっかり挽回したことだろう。 青森市内で食料を買い出し(13時ごろにはひとしきり雨が降ったりした)してきた あと,14:40に雪の中,1人で宿からスキー履いて田代元湯方面に行ってみる。地 図と磁石を頼りに爆裂火口壁(たぶん)に沿って平原を進み,送電線くぐって広い 沢に降りていくと対岸に廃屋が現れた。予想外に水量の多い沢で渡れず,対岸に は下の方にも建物があるので崖を高まきして見下ろすと渡れそうな橋があった。 が,そこで時間切れ,磁石を頼りに近道して16:00頃,宿に戻る。 ■2001/01/01 みちのく温泉〜田代元湯 「爆弾低気圧」が来て大荒れということなのでまた寝坊したら,ここは八甲田の 稜線の東側のせいか朝,露天風呂に出ても小雪が舞う程度だった。しかし,朝食 後,田代元湯に(今度は入りに)行こうと用意しはじめると音たててアラレが降っ てきたのでしばし待機。しばらくして雪に変わったので11:30ごろ出る。 送電線の鉄塔から,シールなしのスキーで複雑な地形を前日の記憶を頼りにまっ すぐ田代元湯めざすが,小尾根を回りこんで凹状地形に入り込んでしまったので シールつけて小尾根に乗るべく回ってさらに向こうの小さい尾根を目指したら, シュプールが出てきて,前日のにしてはいやにはっきりしている。1個だけ付け た赤布も見える。リングワンデリングしてしまったわけだ。もういちどそれらし いと思う方向に進んでいくとまたもやあるはずのない送電線が出てきて,ほとん ど出だしに戻ってしまった。やっと懲りて磁石を利用する。結局,前日30〜40分 で登ってきたところを2時間かかって13:30にやっと田代元湯にたどり着けた。 鉄の橋をこわごわ渡って念願の温泉に入る。廃業して何年も経つが温泉だけは青 森の有志の人がときどき整備しているらしく,ありがたく露天風呂に浸かる。風 呂の底には,沈んだ落葉が温泉の中で発酵して,踏むと泡(たぶんメタンガス)が 出る厚さ5mm前後のぬるぬるしたナマコのようなじゅうたんに覆われている。こ れを,掃除しないと入れない汚いゴミだと思うか,万病に効くかもしれないエキ スに満ちた温泉だ(^^;)だと思うかは主観の問題だ。食べはしないがキノコみた いなものさと嬉々として浸かる。昨日の朝,みちのく温泉で田代元湯に行ってみ たいのだけど,,,と聞いたら,宿の人もちょうど来ていた青森からの常連客も, 冬は無理だと言うが,常連さん「実はここ(深沢温泉)よりさらにいい,八甲田で いちばんいい温泉なんだけどね」とも言っていてなおさら行きたくなったのでし た。雪の中の無人の温泉なのに熱くもなくぬるくもない最高の湯加減で1時間で も浸かっていられそうだ。が,入っていたらいよいよ爆弾低気圧の土砂降りみた いな雪が降ってきて,出るのが大変だった。14:30に出て15:30に宿に戻ってまた 温泉で温まる。 さっそく宿の人に話すと,昔,青森の連隊が辿り着けなくて死の彷徨になって近 くの銅像のあたりで大勢死んだ,その同じところによくたどり着けたもんだと妙 に感心された。当時とは装備が(恐らく気候も)かなり違うが,弘前の連隊は案内 人頼んで十和田湖回って無事たどり着けたものの,青森の連隊は独力で目指して 辿り着けなくて遭難してしまった,その古い温泉が田代元湯なのでした。そのと きは何とも思わなかったが,同じところ目指して方向感覚はかなりいい方がと 思っていた自分が2回もリングワンデリングする結果になった温泉彷徨と「死の 彷徨」を重ね合わせて夜中にちょっとゾッとした。 ■2001/01/02 みちのく温泉〜田代元湯 天気悪いので10:40に出てまた性懲りもなく田代元湯へ。今度は最初から磁石を 頼りに順調にたどり着き,11:20に到着。湯に浸かる前に上流側の建物を見に行 くと,そちらが旅館だったようで,建物はけっこうしっかり残っていて,外のト イレにはカミまである(これは秋などに温泉マニアが来ているためらしい)。 木の枠の露天風呂「鶴ノ湯 四分六分」と「岩風呂」とはしごしながら2時間ぐら いも湯に浸かってこれぞ究極の湯治(^^;) 他に人が来るわけもなく,カミさん も入った。 14:45に出て15:30に宿に戻りまた温泉で温まる。 その後天気回復しそうもなく,1/3午後に車を掘り出して東京に向かった。(福島 まで雪道でこの帰途がいちばん大変だった) 2001/01/04(Thu) 雪兎 (JAF00036) http://member.nifty.ne.jp/YukiUsagi/