- FYAMAALP MES(12): 山岳スキー・XC(山でのスキーの全形態可 00/04/17 - 02874/02874 JAF00036 雪兎 飛騨・十石山を滑ってきました (12) 00/04/02 21:39 2年ぶり, 2度目の飛騨・十石山に行ってきました。一昨年3月に同じところを 登ったものの, 抜群の斜面を滑れず涙を飲んで平湯に縦走した( nifty:FYAMAALP/MES/12/2046 )ので, 今回はその滑降を目的に軽装で登って滑っ てきました。東京から車で往復500km走って1100m登って滑ってくるという夜行日 帰りでちょっともったいなかったですが, 久々に快晴に恵まれて綺麗な写真もた くさん撮れ, 白骨温泉にも入ってきました。上部300m以外はけっこうひっかかる 雪質で, 下部はひどいモナカ雪だったのが今いちでしたが久々の山板でそんな雪 もソレナリに楽しんできました。 【日 程】2000/4/1 【山 域】飛騨 (乗鞍岳周辺) 1/25000図 乗鞍岳,梓湖 【メンバ】雪兎(山板+DIAMIR), I(山板+テレマークbinding), M(カービング板+DIAMIR) 【天 候】快晴 【コース・タイム】白骨温泉7:30 …− 1790m台地9:15 − 十石山12:55 − 十石小屋13:05〜14:45 → 1790m台地16:15 → 白骨温泉17:00 【写真→】 http://member.nifty.ne.jp/YukiUsagi/photo/2000401/ 白骨温泉上のスーパー林道のゲートを出発してすぐ, 1510m付近の急斜面トラ バースの難関にひっかかる。一昨年来たときには暖冬で雪が禿げてしまっていた のでつぼ足で通るしかなくて問題なかったのだが, 今回は雪がびっしりついてい てしかも朝の冷え込みで固くなっている。といっても固いのは表面だけで, ス キー履いたままだと全く沈まないアイスバーンで非常に危ないが, つぼ足だと表 面突き破って膝まで没するのでちょっと疲れるものの全然危なくない。先頭の僕 は途中からつぼ足になって5分ぐらいで簡単に通過したのだが, いつまで待って も後ろの2人が来ない。僕もわりとしぶとくスキーはいていて, スキーを外した ときには2人も既に必死のトラバースや恐怖のキックターンの最中だったりした ようで, 僕がずっとスキー履いたままクトー(スキーアイゼン)もなしで行けたと 思ってしまったらしく, 途中でクトーだけ付けて最後までしぶとくスキーで来て しまったのだった。これで20分ぐらいロスする。変な頑張りは禁物(^^;) 急な広い沢状を突き上げて1790mで台地状に出て500mほどタラタラと進んでから 尾根の南側を登る。10mぐらいの間隔で針葉樹の大木が茂る緩い南斜面は日向と 日陰のコントラストがきつくて, 今度は僕だけシールに雪が着いて板が巨大なダ ンゴになってどうしようもなくなる。2人に先行してもらって30分近くかけて徹 底的に雪を剥がした。プラスチックのヘラで雪をかき落としてから一旦シールを 剥がし, 体温で暖めながらその間, 板についた氷を裏も表も側面もヘラで徹底的 に落とす。シールを貼り付け直して, 手拭いで強く拭いて水分をとり, まだ一部 凍っている部分は爪でひっかいて氷をかきおとす。それだけやったらさすがにそ の後は全く着雪することなく快調になった。しかし僕以外の2人のシールはほん の少ししか着雪しなかったところをみると, けっこうすり減って毛足の薄くなっ たシールだったのが原因らしい。一昨年, 板を変えたときに長さが合わなくてや めた, 前のスキーでずいぶん使っていた古いシールのテールの金具を切り落とし て吹き流し式にしてみたら新しいシールより滑りがいいので最近愛用していた。 樹林帯を徐々に抜けて広く緩い尾根になると, 左に乗鞍連峰, 右に焼岳周辺と俄 然景色がよくなるが風も強まってときどき地吹雪に襲われる。山頂近くで竜巻が 起きて雪煙が上空に舞い上がったりするのをデジカメに収めたりした。 12:55に山頂に着くが猛烈な風にMさんの毛の帽子が吹き飛ばされて僕がきわどく ストックで抑えて回収したりする。長居は無用, 景色をデジカメに収めてすぐ小 屋に行く。冬季用入口から入ると中は真っ暗で目が慣れるまで何も見えない。2F の布団部屋にだけ小さな窓があって明るいのでそこでマットレスと毛布を借りて てビールのみ, 湯を沸かして紅茶など飲みながら2度目の昼食とり昼寝する。 1時間ほどして5人パーティが到着。それが奇遇にもMさんが2週間前に蓮華温泉で 相部屋だったという「シーハイル」の面々で, 山スキーのホームページの老舗で ある(^^;) "Matsuda's Mountain Ski" < http://www.dcn.ne.jp/~tsmcmatu/ >の Matsudaさんもいて初対面する。宴会して泊まって明日下るとのことで, 東京発 夜行日帰りと聞いてやはり驚いて(呆れて? ^^;)いた。 のんびりして15時に出るつもりだったが, あまり遅くなると斜面が凍って危ない と言われてそれもそうかと急いで用意して出るが滑り出しは14:45, あまり変わ らなかった。強風の山頂から滑る必要もないので, 小屋から真東に滑って, 登っ てきた尾根との間の沢が凹んでくるあたりで登った尾根に戻る。ちょっと硬い雪 だったが景色のいい抜群の大斜面だ。しかし快適だったのはここまでで, 樹林帯 の細い尾根はだんだん雪がひっかかるようになってきて, しまいには完全なモナ カ雪になってテレマークのI氏は頻繁に転んでかなり苦労していた。これだけの 悪雪になってもアルペンではなんとかなるようで, 完全に後傾・踵過重にして強 引にトップを浮かせれば, テールでバリバリとモナカを割りながらも斜滑降の方 向を微妙に調整してバランス保つぐらいはできてそんな変な滑りを楽しめた。 「回ろうと思うからいけないんですよ」などと言ったのが面白くなかったのか, 1200mも登ってほとんど転びながら降りてくる結果になったI氏はかなり不機嫌 で, 十石山が嫌いになってしまったかもしれない(^^;) 僕もXCなんかで来てた ら大変だっただろう。カービング板のMさんの方は僕がひたすら斜滑降+キック ターンで(これが一番速い^^;)滑ってきたところを時々転びながらもボーゲンで 回って降りてくるから感心する。カービングはアイスバーンには弱いが悪雪には 強いようだ。 途中で一時I氏がはぐれて探したりしながらも2時間ちょっとの滑降で17時に白骨 温泉に着いて, 冷えきった体を露天風呂でゆっくり暖まって帰った。松本で食事 して渋滞もなく東京着23時。 2000/04/02(sun) 雪兎 (JAF00036) http://member.nifty.ne.jp/YukiUsagi/ 【4/17追記】---------------------------------------------------------- 後日, Matsudaさんより, とっつきの急斜面トラバースはもうちょっと上を回れ ば問題なく通過できることを教わりました。雪山ではルートを登山道という線に 限定して考える必要ない(というか, そもそも登山道が埋まって全面真っ白にな ってしまうのだから道を辿る方が難しい)ことはわかっていても, まだ林道から 入ってすぐのところだったせいか, 林道をぐるっと回って向こう側から入れば楽 だろうけど遠回りになるしなあなどと林道や登山道の線だけに固執して地図見て しまっていたことに気づかされた次第。