尾瀬・御池から燧ヶ岳往復 (96/05/19) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 先週の 尾瀬の南の荷鞍山に続いて、 北側の御池から燧に登って滑ってきました。 【山 域】 尾瀬周辺 【日 程】 1996/05/18(土) 【コース・タイム】御池(1500m)7:30 … 広沢田代8:15〜30 … 燧ヶ岳(2346m,2500m) 10:45〜12:25 (柴安くら往復) → 上田代12:50〜13:15 → 御池13:30 (…は徒歩、 →は滑降) 【天 候】 高曇〜晴 【メンバ】 T(山板), K(テレマーク), A(ゲレンデ用アルペン), 雪兎(ミニスキー) 【地 図】 1/25,000 燧ヶ岳 行く直前に御池までの道路の開通が怪しくなってきたので、 駄目だったら会津駒か 三岩岳にも変えられるようにその辺の地図も持っていったりしたが、御池まで車で 入れてしまったので予定どおり燧に行ってきた。 メンバーは4人、 飯田橋に集まってみたらアルペン2人にテレマーク1人、 ミニスキ ー1人とバラバラ。 アルペンも1人はジル300の山板、 1人はSalomonのbinding付けた バリバリのゲレンデ板(^^;)だったので、今回はミニスキーvsテレマークのみなら ず、残雪期山岳に於ける各種スキーの比較検討(^^;)という結果になった。 御池で朝食後、 7:30にツボ足で出発する。アイゼンやツボ足のトレールが既につい てるのと、2人が"登れない板"なので。 熊沢田代手前のコブの右を巻いたらけっこ う潜ったり枝に板がひっかかったりしたので、山板とテレマークだけだったらシー ル登高した方が楽だったかもしれない。ルートとしてはやはりコブに登ってしまっ て気分転換に田代までの滑降を楽しむというのが正解だったようだ。 長いゲレンデスキーの他にスキー靴まで背負って、 ホーキンスの町山靴で登る初心 者Aさん(スキーは1級の美人)が遅れ気味だったがそれでも3時間15分で燧の三角点 峰・爼ぐらに着いてしまった。 昼食後、 Aさん除く3人で空身で柴安くらに行ってきた。三角点峰の南東の急斜面か ら南側を回り込んで鞍部に出て、 ツボ足で山頂に立つ。 静かな山頂から南西に少し 下って右手に尾瀬が原、 左手に尾瀬沼を見下ろす絶好のポイントで用を足している 間にテレマークのK氏は南東側の中斜面から、山板のT氏は北東側の急斜面から滑っ ていた。僕も5分ほど遅れて北東側斜面を滑る。 北東側中斜面から東向きの急斜面 に出ると、 ぐさぐさで滑りにくかった雪が一部剥げて硬い雪面の所があってそこを 鼠みたいな細かいターンで割と快適に滑ったのだが、そこは直前に山板のT氏が自 分で起こした雪崩に巻き込まれながら落ちた跡だったと後で聞いた(^^;) 表層10 〜20cmばかりの悪雪が30m程ずり落ちただけなので怪我などはなかったようだ。 この日、 東京は肌寒かったらしいが、燧は風も弱くボワッと太陽が照る高曇りでや たらと暖かく、 雪は腐ってどのスキーでも上部の滑降は快適でなかった。唯一さっ そうと滑っていたのはカーリーヘアの本格派(?)単独スノーボーダーぐらいで、4種 類のスキーは全員転んだ。 ーーーアルペンとテレマークは重い雪に足とられて、ミニ スキーではトップを突き刺して、、、 上部では転んだ回数の少ないアルペンの勝ち、 派手に転んだテレマーク(K氏はかなりうまく、綺麗に回るのだが)とミニスキーの 負けという感じだ。 通常ルートは熊沢田代のあと登り返しか長い斜滑降が入るのとかなりシュプールが ついて凸凹になってしまっているので、 熊沢田代より大分手前から左に逸れて沢沿 いに上田代に下るルートをとった。この沢、 1900mあたりまでは急でなく、長い板 では右岸の白いやや雪の重い部分を快適に、 ミニスキーでは沢底の黄砂の積もった 雪の硬い部分をそれぞれ快適に飛ばす。 1900mから1750mにかけてはけっこう急な樹 林帯だが、 木の間隔は広く 斜面の幅も広いのでやはり快適に滑れる。 しかし、沢 が緩くなってくると、ミニスキーの一人負け状態になった(;_;) 障害物のない腐 れ雪の緩斜面では安定した長い板がよく滑る。 ミニスキーでちょっと焦りながらやっと追いつくというのを2回ぐらいやってふと 高度計を見ると1610m、 上田代の高度だ。そういえば踏跡などは全くないものの燧 裏林道(という名前の歩道)が上田代から横田代に沢を渡る場所に似ている。 ミニス キーの手軽さで一人で右岸に登ってみると、案の定そこが無人の上田代だった。 平らな上田代の横断でもミニスキーの大負け(;_;) ゲレンデ用アルペンスキーも 踵が上がらないので苦労していたが、 スケーティングでよく滑る分、 ミニスキーよ りはマシ。ここは靴も板も軽いテレマークの勝ち、 踵の上がる山板が2位。 同じ苦 労を御池直前でもやって、13:30に御池に着く。 ヘリによる山小屋への缶ビールピ ストン輸送の真っ最中で、5分に一度空荷のヘリが頭上10mを飛来してはカンビール の箱を入れた網をぶら下げて尾瀬ヶ原方面に飛び去っていく。 というわけで、 ミニスキーで今回は登りや急斜面滑降では勝ったものの邪魔物のな い腐れ雪緩斜面の下りや平地滑走でアルペンとテレマークに負けて、雪はたっぷり あるものの平らなぶな平を七入まで滑り込もうなどという気も起きなかった。 檜枝岐でとれたてのこごみとたちそばを食べ、 \850の豪華新築小豆温泉窓明の湯で 汗流してビール飲み、 那須高原牧場でアイスクリームを食べ、 佐野SAで佐野ラーメ ン食べるという、 豪華温泉とうまい物ツアーして帰宅した。 御池〜燧は山スキーコースとして有名で、だいぶ前にカミさんと4時間以上かけて 登ったこともあり、けっこう登りで・滑りでのあるコースという印象を持っていた。 が、実は ゆっくり登って3時間強、 ゆっくり休みながら滑って1時間の半日コース で、東京方面からは御池までのアプローチが大変なわりには簡単に行ってしまった。 先週の"大清水〜荷鞍山"は半日コース、 "御池〜燧"は丸1日コースというような印 象を持ってたのだが、 尾瀬沼をはさんで南と北に位置するこの2つの山は実は標高 差も824m vs 850m と大差なく、 違いはアプローチと有名/無名の違いだけだという 意外な事実に気づかされた。大清水からの荷鞍山の方が断然短く感じたのは、 人の 足跡を辿ってひたすら苦しさに耐える登りと、カモシカの足跡しかないところを地 図見ながらキョロキョロと登る面白さという違いもあったのだろう。 (道路状況) 御池までの道路は5/18時点では正式には通行止で、ガードロープが切れていたり木が道 にはみ出して倒れていたり、 またカーブミラーも(積雪にやられないように)外されたま まで、帰りにはガードロープの補修工事などしているわきを「見逃してね(^^;)」という 感じで通らせていただいたような状況で、通常の道路と同レベルに通れる状態ではな く、当然その筋の安全保証もありません。除雪は完了していたものの、正式開通前にあ まり車が殺到すれば厳重なゲートが設けられる結果になると思います。 雪兎 (JAF00036)