【5/2 打当温泉→田沢湖→横手→鳥海町→羽後矢島→象潟→鉾立】 天気予報では雨っぽいので鳥海への移動日にしたのだが、雨は朝ちょっと降っただ けだった。田沢湖や横手の「平安の風わたる公園」に(偶然)寄って花見兼ねて散策し たりしてのんびりしすぎてしまい、鳥海山東面の鳥海町は通過しただけで、 もくろ んでいた大清水あたりの偵察も、 祓川の駐車場事情のチェックも諦めて鉾立に直行 し、16:30頃着いた。 鉾立の山荘は素泊まり\1650だそうで迷ったが、幸い外にトイレもあるし素泊まり なら車で寝てしまった方が荷物運ばなくていいだけ簡単だなどと思って またして も安易な車泊まりにしてしまう。それが、日没前後から猛烈な暴風雨になって、猛 吹雪で冬テンに閉じ込められたようなかっこうになってしまい、トイレもアルミカ ップで済ます始末(;_;) 一晩中車ごと吹き飛ばされるのではないかと思うほど車 が風に揺られてまいった。 (その割にはよく寝たが(^^;)) 栗駒山〜岩木山〜森吉山〜鳥海山 (3/3) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【5/3 鳥海山象潟口/鉾立〜御浜小屋(ミニスキー)】晴〜曇 鉾立7:00 ー 御浜小屋9:00〜50 - 鉾立10:10〜12:30 猛烈な暴風雨が朝6時にぴたっとやんで晴れてきた(^^;)ので、朝食後7時にミニス キー持ってつぼ足で出発。 夕方からの本番用にシールを濡らしたくなかったのと、 ミニスキーで滑ってみるのにちょうどよさそうなところだったから。展望台からは 白糸の滝がきれいだ。朝のうちはときたま新山も見え隠れしてたのだが、登るにつ れ次第に霧が出てきて、9時に御浜小屋に着いた時には強風と霧の中で小屋の玄関 借りて行動食をとる。霧の晴れ間に風下の鳥海湖に向けて滑降しかけたが、雪が悪 くて面白くないのですぐやめた。 御浜小屋からの下りはしばらくは表面だけ硬くてずぼずぼ潜るもなか雪で、 65cmの ミニスキーでは加重した途端にトップまでスキーがもぐり込んでしまってどうしよ うもない。 歩いた方が早いぐらいだ。それが半分ほど下ると沈まなくなり、とたん に快適に回れるようになった。奈曽川に落ち込むギリギリまで尾根の右寄りを滑り、 5mほど藪こぎして尾根の左側に移る。 最後、 鉾立までの雪のない尾根上の登山道は 尾根を左に大きく外れて滑るが、 ここが非常に快適に回れる斜面だった。そのまま 降りてはもったいない。 時間もあるので、 10:10からザックを置いて3回登り返して、 ステップで2回、 ジャンプで1回、 曲進系で1回と4回滑って遊んでから車に戻る。 完 全に片足上げてしまう豪快なステップターンが実に快適だった。 v(^_^)v 【5/3 鉾立→象潟→祓川】 12:30に鉾立を出て、 吹浦経由で象潟駅に13:00に着き、昼食後 象潟シーサイドホ テルに行って\400で日本海の白波を真正面に見る素晴らしい風呂を独占する(^^;)。 ここは以前、 稲倉岳を滑った帰りにも寄ったことあったのだが、そのときは夜中ぢ ゅう運転して朝6:30に着くなり登って滑ってきた直後で、やたら眠くて全く印象な かったのだが、\400でこんなに景色のいい風呂だったとは! 上がってから急いで日帰り用の小さなザックから泊まり用の大きなザックに荷物を 詰め替えて象潟駅に急ぎ、 15:01着の特急で東京から来たS氏を乗せて祓川に急ぐ。 【5/3 鳥海山矢島口/祓川ー七ツ釜避難小屋】曇 祓川16:30 ー 七ツ釜避難小屋17:45 予定より30分遅れて16:30に強風の祓川を出発。 日が暮れぬうちに避難小屋に着く ように、 風に揺られる板担いでひたすら登る。 避難小屋直下の斜面はシール登高で 急ぎ、薄暗くなった17:45に七ツ釜避難小屋に着く。 太い梁のがっしりしたまだ新 しい予想外に立派な小屋で、 同宿者は1パーティー3人のみと予想外に空いてて快適 だった。 【5/4 七ツ釜避難小屋ー七高山ー唐獅子平避難小屋ー七ツ釜避難小屋】晴〜高曇り 七ツ釜5:40 - 七高山8:30〜9:50 - 唐獅子平10:10〜11:30 - 七ツ釜12:45 4:30頃起きて、 早出した3人パーティーを追うように5:40に強風の中を軽装で出発。 強風にさらされて雪は硬く、クトーかアイゼンがないと登高困難だ。1950mあたり で徐々に急になってきたころ、斜度はまだ20度ぐらいなのだが強風にさらされ続け た雪面は非常に硬く、 強風は突風を伴うようになって、 ときどきとんでもない方向 から風に煽られてその度に耐風姿勢を強いられるようになってきた。突然、 とんで もない方向からの突風に1mぐらい飛ばされた。 幸い僕はクトーで着地できてそのま ま耐風姿勢に入れたが、S氏はと見るとゆっくりと滑落していく。大して急な斜面 ではないのだが、雪が硬くてまた上下ゴアのヤッケで摩擦が極端に小さいので止ま らない。 30mほど滑りながら藪の方に誘導して藪を掴んでやっと止まった。 幸い怪 我も肘を打ったぐらいで大したことなかったが予想外だった。その後 七高山頂上 までは傾斜が30度ぐらいまで徐々にきつまっていくので、より慎重に行動する。先 行3人パーティーはこのへんで最初スキーを担ぎ、しかしそれでは風に煽られて不 安定なのかすぐスキーもザックもデポして空身になって登っていった。4本爪アイ ゼンは付けていた。 我々はぜひとも山頂から滑降したかったのでシール+クトーの 登高に固執した。(担げば煽られるので) 山頂直下では登高支柱を解除することでクトーの歯を深く刺して、 それでもときど き1分ぐらい耐風姿勢を強いられたりしながら進む。 S氏は滑落にもめげずに結局山 頂までシール+クトーで登ってしまったが、僕は山頂直下20mぐらいで左の岩稜に出 てスキーを脱いだ。 凍結した岩のゴロゴロした稜線を10mほど登るが、 最後の10mが アイゼンなしではどうにも進めない。 不安定な狭いテラス?でまたシール+クトー付 きのスキーを履くのに、左足はすぐ履けたものの 突風の合間を待って右足履き終 わるのに10分近くかかった(;_;) ーーー 頂上を目と鼻の先にして。 8:30やっと山頂に到着(S氏は15分以上前に到着)。 新山側のガケに5cmでも首出すと 吹き飛ばされそうな強風だが、山頂東側の猫の額のテラスだけ風が弱い。 アイゼン 着けてる3人は岩稜を行者岳方面に辿って行ったが、 新山との鞍部への下降は諦め て今朝の登高ルートの(上から見て)右の岩稜を下っていった。 正面の新山東面を千蛇谷からアイゼンで登ってくる人がけっこういる。耐風姿勢で 止まることが全くないところみると突風はないようだ。ミニスキーで下ってる人も 1人いた。 僕と同じオレンジ色のヤッケ着てミニスキーとは、自分の幻影を見てる ようで妙な感じだ。 そのうち1人が新山から七高山に登ってきた。アイゼンさえあればなんてことない ようで、全くスムーズに登ってきてすぐ戻っていった。我々もアイゼンさえ持って きてれば新山でも行者岳でも行けたろうに、、、 雪が緩むのを待ってリンゴかじったりしてると、つぼ足3人、1人だけボード持った パーティーが登ってきた。彼らも耐風姿勢で止まることなく、僕みたいに直下で横 の岩稜に逃げることもなくスムーズに登ってきてあっさり着いてしまった。つまり、 相変わらず風は強いが、 吹き飛ばされるほどの突風は止んだということのようだ。 写真撮ってあげたりしたあと、つぼ足の1人に滑落停止の仕方を教えたりして、2人 はつぼ足で、そして1人は頂上の1段下に降りてスノーボードを履いて滑っていった! 転んだら命に別状ある凍結斜面をガリガリ音立てて時々ジャンプで向き変えながら 滑っていく。風には煽られなかったがやはりびびってたのだろう、安定感もなくあ まり快適そうでもなかったが、、、スゴイ! 9:50、 いよいよ七高山山頂から滑降開始。 風は強いもののやはり突風はなくなって いた。ジャンプで着地して回り込むたびに表面の硬い雪が氷片になって流れ落ちる。 10人とか20人の大パーティーが続々と直登してくる。 100mほど滑ってから祓川への コースを右に外れて東に落ちる大斜面を滑っていく。 足が疲れてきたころ、赤い屋 根が見えてきたのでそこまで行くと、 やはり唐獅子平避難小屋だった。夏道の道標 のわきに熊みたいな形の岩がある。S氏は熊がいるみたいでギョッとしたそうだ。 小屋は入口が雪で塞がって、 手でかいたぐらいでは扉を開けられなかった。 しかた なく小屋の風下で大休止。 食事と昼寝で1時間20分ものんびりした。突風の硬雪斜 面の登高で神経すり減らして予想外に疲れていたようだ。 小屋から登り返し、 次第にシュプールを右に外れて12:15、 1900mまで斜登高したと ころで、 このへんから七ツ釜避難小屋に滑ろうとシール外したとき、うかつにも僕 のオーバーミトンの片方を風にさらわれてしまった。僕だけ飛ばされた下の方に 200mほど滑降して探してみたが見当たらず、 斜滑降+ときどきハの字登高で七ツ釜 を目指す。 避難小屋の30〜40m上で祓川からのコースに出て避難小屋に滑り込む。 このとき、僕は左寄りを滑って小屋が見えたが、 S氏は右寄りを滑って小屋が見え ず、 かなり下まで滑って15分ぐらいかかって登り返してきた(^^;) 12:45に七ツ釜避難小屋に帰り着くが、小屋は休憩の人で一杯、 あとから人が入っ ても座り込んで休む人達は座をずらす気配もない。 しかたなく入口で彼らが出るの を待つ。 13:30頃入れて、 コーヒーなど飲んでから昼寝。 やはり疲れたようで、 17 時過ぎまで眠った。 この日も同宿者は秋田県北から来たという単独行のヘビースモーカーの山スキーヤ ー1人だけ。煙い以外は優雅な小屋泊り(^^;) 【5/5 七ツ釜避難小屋ー祓川】曇 5時頃起きて食事し、 6:30に避難小屋を出発。 あっという間に滑り終わって6:40祓 川着。 どんよりとして風強く、 天候悪化してきている鳥海山に次々とパーティーが 出発していく中、 車に荷物積み込んで祓川を後にする。 【5/5 祓川→象潟→湯田浜温泉→鼠ヶ関→燕三条IC→関越高速→東京】 7時頃祓川を出て、 途中道端の雑草の芽(ふきのとう)をたくさん採って帰る。 鶴岡近くの湯田川温泉の共同浴場(\150)で汗流して土産(このゆべしは美味だった) 買い、 雨に濡れる新緑と笹川流れの絶景を眺めつつ南下。 鼠ヶ関あたりで昼食と買 い物(このするめ一夜干しと 根昆布とシソの佃煮も抜群^^;)。 新発田直前で渋滞し て動かなくなったので左に逃げて二王子温泉〜五頭山などのわきを通り 豊かな農 村の風景を楽しみ、 燕ICから関越で帰京。 途中 赤城ICから東松山ICまで渋滞して 関越を外れた以外は意外と順調に帰れた。(14時間かかったが)