83山滑降と言っても、 83個の山を滑ったという話ではありません。「八十三山」とい う名の山があるのです。上信国境(群馬・長野県境)・野反湖の北東、 白砂山の西に位 置し、 国境稜線上の堂岩山から北に延びる支尾根にあるくせに堂岩山よりも50m高 くそびえていて、先週 白砂山から戻ってくるとき、堂岩山北東の稜線から見て実 に快適そうな急斜面を持つ堂々たる山だと知りました。 登山道もなく、無雪期には 恐らく藪で近づけないだろうこの山が気になって、 物好きにも2週連続の野反湖詣 でしてきました(^^;) それも4人もそろって。 【山 域】 上信国境 (群馬・長野県境) 【日 程】 1996/03/31(日) 【コース・タイム】大自然村入口(1200m)7:05 − 野反峠(1561m)8:40〜45 → 野反湖畔1555m標高点9:15〜20 −→ ハンノ木沢1520m 10:10〜15 − 兎の楽園(仮称・1880m)11:30〜55 − 堂岩山・83山鞍部12:25〜30 − 八十三山(2101m)13:00〜45 → 堂岩山・83山鞍部13:55〜14:50 → ハンノ木沢(1520m)15:30〜40 −→ 野反湖 16:20 → 野反峠16:50 → 大自然村入口17:20 (…は徒歩、 →は滑降、 −はシール登高) 【天 候】 晴〜曇〜霧〜曇 【メンバ】 雪兎, I, H, M 【地 図】 1/25000 野反湖, エアリアマップ「志賀高原・草津」 アプローチが長いので、現地で4時に起きて日の出前の5:30には歩き出そうと言っ てたのだが、雨も上がって朝から晴れはしたものの湿っぽく生暖かいすっきりしな い天気で雪も締まってなくて、 今いち気分が盛り上がらない。 寝坊して出発は7時 過ぎになった。道路の除雪も先週より少しは進んでるかと期待したが同じで、 標高 1200mの車道分岐点「大自然村入口」から歩き始める。 ツボ足ではズボズボ潜ってし ょうがないので、 すぐにシール登高に変える。 野反峠(1561m)から野反湖東1555mまでの車道滑降は向かい風と柔らかい雪のためほ とんど滑れなくてずいぶん時間かかった。やはり雪は低温に限る。 がちんがちんの 締まった雪もサラサラの雪も 緊張感と快適さを与えてくれるが 緩んだ雪はどうも 好きでない。 先週と全く同じルートで堂岩山南1940mの鞍部まで登る。 雪が緩いのでクトーは全 く不要。 3度目ともなると大分悪賢くなって途中の小さなコブは全部巻いて登って しまう。ただし1810mのコブを巻いてやろうとして、 それも涼しい日陰の尾根北側 の樹林帯の中を巻いてしまったのは失敗だった。1720のコブを1人だけ巻いてビリ から一気に4人のトップに躍り出たのが、1810mのコブのトラバースではスキーがズ ボズボ潜ってしまい、 ようやく諦めて尾根に戻ったときには他の3人は随分前に出 ていて、兎の楽園(仮称・P1944西・1880m)まで追いつけなかった(;_;) 堂岩山は 3人は山頂を越えたが僕は去年登ってるので今回もパスして、 西側2000m あたりをトラバースして83山との鞍部に先回りし、 そこで3人を待って一緒に83山 に立った。 こうして僕1人だけ、こんな超山奥のピークに他の山やコブをひとつも 通らずに登るという超画期的な記録を樹立してしまった(^^;) しかし、83山の東面の滑降は,,,ここはかなりの急斜面で、 雪が緩みきってる今日 は条件が悪すぎた。 山頂東の緩く広い、 表面がサンクラストした実に気持ちのいい 斜面をちょっと滑って遊びはしたが、本格滑降は時間的にもきついので、 帰りがけ に83山の肩(2040m)から東北東に落ちる支尾根を滑るだけにした。が、実は僕は僕 はそれも諦めて 寝不足で不調のI氏と鞍部でツェルト被ってH氏とM氏が滑降して鞍 部に登り返してくるのを待った。 膝と靴の不安があった。実は前日に用意するまで 全く気づかなかった(^^;)のだが、僕の兼用靴Dynafit TourLite2のベロ(今年にな って既に2回割れて交換してる)がまた割れていて、アロンαで接着して来てたのだ が登りの途中に兎の楽園で確認したら やはり元に戻ってしまっていたのだ(;_;) 鞍部に下るのに、 83山の肩から尾根の東側の急な沢の源頭部を40mばかり滑ってか ら斜滑降で鞍部に出たのだが、この源頭部は実に快適だった。一方 尾根の方は細 くて急過ぎて雪質も悪く、 さほど快適ではなかったようだ。来年、 晴天で雪のいい 時を狙って、 泊まりがけでここを滑りに来ようと思う。 テン場はもちろん兎の楽園。 鞍部でツェルト被ってのんびりと3度目の昼食をとり、I氏は昼寝、僕はガムテープ でベロを気休め修理する。1月にはもっとコナゴナに砕けてベロ半分なしで前武尊 山頂から滑ったが、このときはさすがにバックル締めると足が痛かった。今回は1 本の亀裂で割れ目が入ってるだけなので、 ガムテープで応急修理すれば前傾の抑え は効かないものの足が痛くはない。TourLite2はもう物がないらしくて、 ちょっと 形の違うTourLite3のベロを補修部品として出してくれてるのだが、やはり形がち ょっと違うので無理があるようだ。 軽くて気に入ってたTourLite2ももどうやら寿 命みたいだ(;_;) 下りは4人して堂岩山の西を巻いて、 堂岩山の南からは登りシュプールを利用して 滑る。 が、 やはり雪が締まってないのでちょっと漕いだりしなければならなかった。 1720の尾根に出ると、 この尾根は快適だった。雪が重くてスキーにブレーキがかか ってしまうのが惜しかったが、けっこう楽しめて一気にハンノ木沢まで下った。 ハンノ木沢でシール着け、 1631の南の鞍部に登りまたシール外して登りシュプール を漕いで斜滑降。 広い尾根を越えずに、その緩い広い尾根を野反湖まで滑降したが これが非常に気分よかった。 野反湖に出てかかとを開放してパスカングでひたすら南下するが、霧でボワっとし た太陽が見える幻想的な湖面を歩くのはなかなかよかった。 両腕いっぱいに広げる と、 北風が少し押してくれる。 野反峠からの滑降もそこそこ快適で、1376mから下の車道も滑るころにはそこそこ に冷えていてけっこう滑って、 漕がねばならない所はわずかで済んだ。 先週と同じ六合村営の温泉センター(\300)で汗流して帰った。 4人もいると運転が楽でいい。