酸ヶ湯と八甲田大岳に行ってきました (96/01/06 00:36) ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 八甲田の酸ヶ湯に泊まって大岳に登ってきました。 今年は10年ぶりの厳寒の冬で、かなり雪も多かったし、カミさんもまだ骨に金属が 入っている状態なので、今年は湯治にほぼ専念で、スキーは酸ヶ湯の裏山を散歩す るぐらいのつもりだったのですが、案外天気よくて、酸ヶ湯の裏山でカミさんにひ なたぼっこして待ってもらってる間に大岳に登頂して滑ってくることができました。 アプローチは去年10月だか11月に開通した城ヶ倉大橋を渡って横岳に行きたかった ので車で行く方に傾いていたのですが、X'masと年末の強烈な寒波で急遽列車に変 更したのが正解で、行きも帰りも順調でラッキーでした。 [12/30] 夜行の急行八甲田で出発。 自由席はほぼ満席。 [12/31] 青森からJRバス(ガラガラ)で11:10酸ヶ湯着。 快晴。     入浴後、 まだ誰も滑っていない酸ヶ湯の横の湯坂を4回登って滑る。                              (13:30〜16:00)     前日から入っていた人は快晴の中、 大岳環状ルート(酸ヶ湯ー仙人岱ー大岳ー 湯坂ー酸ヶ湯)を回ってきていて、うらやましかった。 [1/1] 猛吹雪でやたらと寒かった。 1日で1m以上積もって、車で来た人は翌日車を     掘り出すのが大変だった。カミさんの足ならしに、湯坂の横の林の中をシ     ールで歩いてみたが、視界30〜40m, スキー履いて膝上10cmのラッセルで 斜登高でもほとんど登れない。 70mぐらいですぐ戻って道路を酸ヶ湯の東 の神社まで行って中で昼食べて帰った。(13:00〜15:30) [1/2] 小雪〜曇〜快晴〜曇 山頂周辺以外は風も弱かった。 酸ヶ湯8:50 - 湯坂裏 ー 大岳山麓1270m12:40〜13:10 ー 大岳山頂14:25〜 35 ー 大岳山麓1270m14:50〜15:05 ー 酸ヶ湯16:05 カミさんも楽に行けて、 しかも天気予報どおり晴れたらあわよくば登頂 も、、、ということで、 通常は大岳からの下りに使う大岳環状ルートを逆に 登った。 朝から風は弱いが朝のうちはまだ雪が降っていた。ラッセルは出 だしは膝ぐらいまであったが湯坂の裏の林に入ると10〜20cmになり、大岳 山麓の広い尾根も同じぐらいだった。中斜面1箇所以外は広い緩い尾根で、 1270mまでカミさんも問題なく登れた。 そこまではときどき日が射すが白 い雪面にの上にモヤがまといついて足元一面がまぶしくて雪面の凹凸がよ く見えなくて、 木の回りの窪みに落ち込んだり、 広い尾根上の凹凸ででき たちょっとした雪庇から落ちたりした。 1270mから先、 尾根が急になって大岳に突き上げている。そこで昼食べて、 カミさんにはひなたぼっこして待っていてもらい、山頂を目指した。 いき なり急斜面のモンスター帯になって苦労したがそれをなんとか抜けると一 旦平らになる。そこで初めて大岳がシルエットのようにうっすらと出てき た。 空はほとんど青空になってきた。平らな所を抜けるとまた巨大なモン スター帯の急登となり、ますます天気はよくなってきたが一旦はモンスタ ー(樹氷のお化け)に阻まれてもう進めないかと思ったほどだ。なんとか切 り抜けると山頂まで続くデコボコ堅雪の中斜面になり、快晴となった大岳 山頂に14:27に着いた。 カミさんの下りのこともあり、14:30でシール外し て下ることにしていたのでギリギリだった。 山頂の展望は、 岩木山〜青森 市と青森湾〜太平洋〜噴火口の向こうに美しい高田大岳〜南八甲田の峰々、、 とまさに360度の絶景! しかも大岳山頂が晴れていたのは僕のいた10分間 を含む1時間程度だけだったというすごい幸運に恵まれた。 山頂直下の堅雪凸凹斜面の滑降は一人のこともあり、安全第一でほとん ど斜滑降+キックターンで下り、真っ白ないい斜面に出てから回った。 途 中で登りシュプールを見失って、 左は沢だしおかしいと思って右に斜滑降 していったらもっと右にカミさんのいる尾根が見えた。 危なく1本左の小 尾根に滑り込むところだった。(そのまま降りても酸ヶ湯には出るが、、、) 1270mからの滑降は広い緩い尾根で景色もよく、快適だったが、木の間 の窪地をすり抜けるところでカミさんが転んでヒヤっとしたのと、同じ ようなところで滑って乗り上げられるだろうと突っ込んだところが変な 音がしたもののbindingが外れかけたのかぐらいに思ってたら、 あとで僕 の板が折れていたのがわかった(;_;) そうとも知らず、 少し雪が重くな った湯坂を快適に滑って16:00に酸ヶ湯に無事帰り着いた。 [1/3] 快晴〜晴〜曇〜雪 生暖かい南よりの湿った風が朝から強く 夕方から湿雪 酸ヶ湯9:00 - 地獄湯ノ沢1250m10:50 - 大岳山頂直下12:25 ー 仙人岱 13:15〜35 ー 酸ヶ湯14:05 そのあと湯坂を1本滑る。  カミさんの板借りて1人で仙人岱まで行って、 天気よければ大岳に登って 東斜面でも滑ってこようと出かけた。地獄沢の最上部、沢が狭まって例年 だと岩の間を苦労して登らねばならなくなるところから、(今年は雪がび っしりなので苦労はないのだが) 大岳に直登を試みた。 シール登高がギリ ギリできる急斜面を斜登高し、モンスター帯をすり抜け、 20m幅の白い斜 面をジグザク切って山頂直下50mぐらいで仙人岱からの通常ルートに合流 し、直下20mぐらいまで行ったが、 猛烈な強風で登頂を断念した。斜登高 を繰り返して登るにつれ、風に押されて登れて楽でいいなどと思っていた のが、噴火口のヘリぐらいまでくるとはじめはゴーグルが、次には体全体 吹き飛ばされそうになって、(1人でなければ這いつくばって登ってしまっ たと思うが) シールのまま20〜30m降りてからシール外して、 登ったルー トと通常ルートの中間あたりを滑降した。最後に左に斜滑降して仙人岱に 出たが、 そこまで降りたら珍しく風が弱まったのと、 小屋から出たら天気 が急変してたなんてのは御免なので、 外で昼食べて地獄沢を滑って下った。 酸ヶ湯に着いてもまだ晴れてるので湯坂に登って1本滑った。 宿に戻る と、 今日は強風のため 八甲田ロープウェーも11:30で止まったとのこと。 [1/4] 酸ヶ湯8:45 = 青森10:15〜29 = 盛岡13:00〜14:15 = 上野17:45 台風みたいになった猛烈な低気圧で大荒れになりそうで、下手すると帰れ なくなりそうなので、朝一番のバスで帰途につき、シュトラウスのケーキも大黒寿 司も諦めて特急〜新幹線と自由席を乗り継いで帰った。 特急はつかりも新 幹線も始発なので座れて、 (通路に立ってた方には申し訳ないが)青森で買 った純米酒「初駒」をチビチビやりながら酸ヶ湯で買った「酸ヶ湯の想い出」 など読みながら、 福島あたりでは平地のあちこちで雪煙が舞う珍しい光景 眺めながら優雅に帰ってきたのですが、この1〜2時間後には強風で新幹線 も止まったとか、道路の方は午前中から仙台以北の東北高速は全面通行止 めになってたそうだし、行きも帰りも山中でも際どく幸運な正月でした。