高田大岳を滑ってきました(!!) (95/01/05) ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^  12/30〜1/3の間、八甲田、蔦温泉と谷地温泉に行ってきました。猛吹雪となった 元日以外は山スキーで動き回ってました。12/30に蔦温泉の裏の遊歩道を歩いた以外 はひたすら高田大岳を目指して、最終日の1/3にはついに山頂に立てました。概略は 以下の通りです。-- [12/30] 3:15車で東京発。東北道滝沢IC〜国道4号〜十和田市経由で12:15蔦温泉着。 [12/30 雪のち晴] 夕方1時間ばかり裏の遊歩道を登り、一滑りする。 [12/31 晴のち曇 ただし頂上付近はガス] 谷地温泉からほぼ夏道沿いに高田大岳を  目指し、山頂直下50mぐらいで時間切れで断念。(;_;)  谷地温泉9:40-山頂直下1500m付近14:20-谷地温泉15:50 [1/1 吹雪 1日で50〜60cmの積雪あり] ひたすら湯治(^^;) [1/2 雪のち曇 上部は吹雪 夜快晴] 谷地温泉から湿原を横切り、沢を渡ってほぼ滑  降コース沿い(929付近経由)で高田大岳を目指す。が、(スキーはいても)膝より深い  猛烈なラッセルと雪崩の危険のある大斜面下部に入り込んでしまったため、1200m  で断念。  谷地温泉8:40-大斜面下1200m付近13:00-谷地温泉14:50 [1/3 小雪のち晴のち曇] 谷地温泉から湿原を横切り、沢を渡ってほぼ滑降コース沿  い(929付近経由)で高田大岳を目指す。下部は1/2のコース、上部は12/31のコース。  曇天だったがやっと山頂に立てて、大滑降できた。強風の山頂からは時々下北半 島まで 見えた(^^); 谷地温泉8:00-山頂12:20〜13:00-谷地温泉15:00 ; [1/3〜4] 16:30谷地温泉〜十和田湖〜東北道十和田IC〜(途中仮眠)〜帰宅4:15 高田大岳を滑ってきました(!!) (詳 115行) (95/01/08) ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ■12/30 3:15車で東京発。東北道滝沢IC〜国道4号〜十和田市経由で12:15蔦温泉着。 直前の大地震で山スキーどころか宿も被害に遭ってるんじゃないかと心配して蔦温泉 と谷地温泉に聞いてみたが、被害は八戸に集中していて山の方は何ともない、道路 も全然問題ないと言われて、半信半疑ながらキャンセルするのも悪いので出かけていった。 雪の降る中、蔦温泉旅館に昼過ぎに早々と着いてしまったが、入れてくれたのでさ っそく温泉につかってこたつで一眠り。 ■12/30 雪のち晴 [夕方1時間ばかり裏の遊歩道を登り、一滑りする。] 15時すぎに目覚めてから支度して宿の裏の蔦沼〜鏡沼などを巡る遊歩道をスキーで (カミさんは宿の長靴とワカンで)散歩。緩い道でXCかテレマークの跡があった。鏡沼あたりか ら適当に左に登っていって、宿を見下ろす高台でシールを外す。やけに簡単に剥がれて 高田大岳での酷使が心配になる。木が多いがちょっと新雪滑降が楽しめた。宿には 全部で10人ぐらいしか泊まってなくて閑散としていた。温泉もほとんど貸し切りで、 泳いだり淵で30分も寝転がってたり,,, 暮〜正月で混むのは31日からだそうだが、 やはり八戸のお客さんのキャンセルは多かったらしい。家が壊れては温泉どころではない。 もっとも八戸から来た隣の部屋の高年夫妻は1階だけかたづけたが2階はそのままに して来たとか,,, 水も出ない家にいるより正解なのかもしれない。 夜一度余震でグラッときてヒヤッっとしたが、1回だけで収まった。 シールに糊を補充してカモイにぶら下げて朝まで乾かす。 ■12/31 晴のち曇 ただし頂上付近はガス  [谷地温泉9:40-山頂直下1500m付近14:20-谷地温泉15:50] 前夜の天気予報では夕方から崩れてくるらしく、さほど天気よさそうに思えなかっ た。宿にXC一式あって、貸してくれるというので昨日の遊歩道でXC初体験してみよ うと思っていた。が、朝食時(8時)に外見ると晴れてる。明日は大きく崩れるという ことだし、これはもしかすると今日だけのチャンスかも知れない!今日中に高田大岳 に登れるだけ登ってみよう,,,と気が変わった。朝食後すぐ谷地温泉に移動し、車の キーだけ預けて9:40に登りだした。 しかし晴れてたのは朝のうちだけで、登りだしから雪が舞っていた。が、風はな く、ラッセルも20cmぐらい。夏に来たことないので登山道がどこだか判らないが、974m のコブを巻けなかった以外はほぼ夏道沿いの尾根を登った。コブと平坦地のあと、徐 々に徐々に急になってきてついには朝から山頂を覆うガスの強風帯に入り、木の枝に 赤布結んだり赤布付きの竹を立てたりしながら登って高度計が1620mを指すまで達し た(高度計は谷地温泉800mで合わせてる。山頂1552mより高いはずはないのに(;_;)) が、14:20、断念した。山頂まであと高度差50mもないところだろう。下りの途中の コブで手間どることが確実なこと(シュプールに雪が積もってたらなおさら)、それに上空 に寒気がきていて、接近中の小さな太平洋岸低気圧が夕方か夜から猛烈に発達して 大荒れの天気になると予報されているから、暗くなって消えかけたシュプールを見失っ てビバークするわけにはいかないのだ。結果的には登りシュプールはほとんど消えずに残 っていたので山頂に立ってもヘッドランプで宿に帰りつけたわけだったが、視界のない 山頂直下ではそんなことわかりっこないのだからしょうがない。 滑降は、上部の滑りにくいシュカブラ帯を抜けたら、平坦地までは雪質が均一で非常 に滑りやすい新雪斜面。これまで新雪はもっぱら両足均等加重で、抜重もほとん ど沈み込みだったが、FSKIERでエクスツリームさん(=北鎌の星さん?)に教わった 左右交互のペダル操作というのを意識してみたら、ものすごく楽に回れた。均等加 重+沈み込み抜重は腿が痛くなって長く続けられないのだが、これだとどこまでも 楽しく滑っていける、感謝感激! ■1/1 吹雪 1日で50〜60cmの積雪あり [ひたすら湯治(^^;)]  予報どおり、朝起きる前から夕方まで猛吹雪で、宿から外に出たのは夕方 車の屋 根に50〜60cmも積もった雪で車がつぶれないかと心配して 完全装備で雪下ろしして きただけ。毎日バスで大挙しておしかける「八甲田秘湯の旅」御一行様のオプショナルバ スツアー(奥入瀬にでも行くらしい)もバスが出なくて中止になった。温泉に4回入り、持 ってきた岳人や本読んだりして、天気予報は欠かさず聞き、6時,12時,16時の天気図 を取る。凄い天気図で、華北に1046hPaの高気圧、太平洋に972とか962hPaでまだ発 達中という低気圧があって日本付近には縦島の等圧線が5mm以下の間隔で40本も走る。 風力はのきなみ5〜7で、描く手が疲れた(^^;) ■1/2 雪のち曇 上部は吹雪 夜快晴 [谷地温泉8:40-高田大岳の大斜面下1200m付近13:00-谷地温泉14:50]  31日の下りで974mのコブに手間取ったので、すんなり下れるルートとして974mのコブを 通らずに下部で1本東の尾根を通るルートをとった。ラッセルがひどそうなので山頂まで行 ける気はしなかったが、シュプール残せば明日楽に登れるはずだ。谷地湿原を横切り沢 を渡って、ほぼ残雪期のスキー滑降コース沿い(929m付近経由)で高田大岳を目指す。が、 スキーはいても膝より深く潜る猛烈なラッセルに時間ばかりかかってなかなか登れない。 900〜1000mの間は薮っぽくて斜めに登りにくかったこともあってつい上へ上へと登 ってしまったら、いつのまにか雪崩が危険な大斜面下部の小尾根に乗ってしまった。 夏道の尾根に出るには広い沢状を渡らねばならず、自殺行為だ。小尾根がちょっと 緩くなった1200m付近で断念して滑降に移った。ビデオを撮りながら滑ったが低温の せいかすぐ止まってしまう。抜群に軽いいい雪なのに残念。15時前に宿に降りてし まったので宿の裏の谷地神社まで行ってきた。宿のほんの裏手なのだが、これも猛 烈なラッセルで、本当は沢沿いに笠松峠への(冬期閉鎖中の)国道まで出て回ってこよう と思ったのだがこれも断念。 ■1/3 小雪のち晴のち曇  [谷地温泉8:00-山頂12:20〜13:00-谷地温泉15:00]  朝起きると日が出ている。頼んで7時に繰り上げてもらった朝食を平らげ、急いで 帰りの荷物を車に放り込んで8時に歩きだす。昨日あまり天気よくならなかったので、 今日いっぱいはもつのではないかと思ったが朝から雪が舞っている。それでもその うち晴れてくるかも,,,と昨日のシュプールを辿る。ラッセルがないのでハイウェーのように快調 だ。今度は標高950mあたりで浅い沢を渡って左にトラバース気味に斜登高していき、1000m あたりでちゃんと夏道の広い尾根に出た。その頃には雪もやんで薄日がさしてきた。 登っていくと徐々に徐々に急になっていき、樹木が途切れがちになり そのうちとき どき山頂も見えてきた。樹林帯が終わると強い西風の吹く強風シュカブラ帯になる。ヤッケ +ゴーグルで快調に登っていく。このへんになると1/1の猛吹雪でもほとんど雪は積もっ ていず、木に付けた赤布が同じ高さで残っていた。所々自分のシール登高の跡も化石み たいになって残っていた。ただし完全に木が無くなってから雪面に(10cm程度)刺した 赤布付きの竹は 強風に飛ばされたようで1本も残ってなかった。尾根の右側の大斜面 も源頭部が近くなってきて雪崩の心配も消えたので尾根の右寄りを登ると 尾根の影 で嘘のように風がなくなって楽だった。最後、えびのシッポのガリガリの雪面を登って 12:20、ガスの中の山頂に立った。  山頂ケルンだか道標だかが巨大なモンスターになっている。尾根が西に続いていてもっと 高いピークがありそうに見えたのと仙人岱の方から登ってる人がいるかもしれないと 思い、行ってみた。2〜3分で西峰に着くとそこは何もなくて、ガスも晴れてやはり谷 地から登り着いた所が高いピークだったことがわかる。足跡もシュプールもなし。ピークに 戻ってケルンの風下で昼食とっていると、ときどきガスが晴れて下北半島などが見えた。 大岳も時たま見えた。  いよいよ大滑降。カミサンはえびのシッポのガリガリ斜面の下までシール付けて降りたが、僕 は山頂から滑った。えびのシッポのガリガリ斜面は表面のえびのシッポをはじき飛ばす気 合いで強気のジャンプターンで案外簡単に滑れる。八甲田大岳西面の山頂滑降と同じだ。 難しかったのはその下の100m程の強風シュカブラ帯、ウインドクラストした雪面が20〜30cm波打 っている。ここで2〜3回転んだ。ビデオを撮りながら滑ったが、あとで見たら雪煙を 舞い上げる地吹雪の中を滑っているけっこうすごい映像になってた。シュカブラ帯を過 ぎると平坦地までは雪質が均一で非常に滑りやすい新雪斜面。ペダル滑降で快適に滑 る。平坦地からはお茶のんだりしながらのんびり下る。  谷地湿原に立つと、どんよりとしてまだなんとか崩れずにいる重い空の下、まだ 高田大岳の山頂が見えている。それまで気づかなかった南八甲田の連峰もいつのま にか姿を表わしていた。 ■1/3〜4 [16:30谷地温泉〜十和田湖〜東北道十和田IC〜(途中仮眠)〜帰宅4:15]  ザックなどを車に入れてからゆっくり温泉につかって、暗くなった16:30に帰途につ く。東北高速は大渋滞らしいから急いでも無駄だ。途中蔦温泉のかなり下で車を林 道にスタックさせてしまったという地元の若者2人を蔦温泉に送り届けたりした。行きと 違うルートで、奥入瀬から十和田湖を通って十和田ICに出たが、ICまでほとんど雪道で 飛ばせず、失敗だった。十和田湖では岸まで寄ってみたが強風に波立つ気味悪い漆 黒の水面があっただけ。十和田市で食事し、あだたらSAで2時間ほど仮眠して帰宅は 4:15。渋滞はなかったもののやはり遠かった。(;_;)